概要
正式名称は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律で平成25年4月1日に施行されました。
障がいを持った方に対して福祉サービスの充実等、日常生活や社会生活を支援するための法律です。
これらの支援により共生社会を実現するために障がいを理由にした社会的障壁をなくそうとするのが基本理念。
この法律以前の名称は障害者自立支援法で自立の言葉がなくなりました。
これは障がい者を自立させる事に重きを置いていたのを柔軟な考えに変更し支援を強調させたかったのだと思います。
厚生労働省の説明には次のように書かれています。
① 全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念
② 全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現
③ 可能な限りその身近な場所において必要な(中略)支援を受けられること
④ 社会参加の機会の確保
⑤ どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと
⑥ 社会的障壁の除去といった重要な考え方を新法の理念としても規定することとしたもの。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/sougoushien/dl/sougoushien-06.pdf
平成23年7月に成立した改正障害者基本法を新法の理念として規定
- 障がいの有無に関係せず基本的人権の尊重
- 障がい者を支援する
- 社会参加の機会を確保
- 健常者、障がい者の共存社会の実現
- 社会的障壁をなくす

障がい者にとってより良い社会、そして共存する社会へ
差別をせず障がいに関係なく一人の人間として基本的人権の尊重
社会参加の機会を与え孤立しないよう支援
障害者の範囲の見直し
①難病患者等で、症状の変動などにより、身体障害者手帳の取得ができないが一定の障害がある方々に対して、障害福祉サービスを提供できるようになる。
②これまで補助金事業として一部の市町村での実施であったが、全市町村において提供可能になる。
③受けられるサービスが、ホームヘルプサービス、短期入所、日常生活用具給付だけでなく、新法に定める障害福祉サービスに広がる。

難病で障害があるのにも関わらず障害者手帳の取得が出来ない弊害は大きいです。
制度が変わる事で対象範囲が広がりサービスを受けられるようになる人もいるはず
障害支援区分へ名称変更と定義の改正
名称変更
これまで:障害程度区分
これから:障害支援区分

程度という言葉がわかりにくいという事から変更されたみたい
定義の改正
①知的障がい、精神障がいの特徴反映
②給付

これまで障がいを区分するにあたり一次審査、二次審査がありコンピューターでの一次審査と専門家の二次審査の結果に差異が生じ一次審査の結果が低く判定されたみたい。
ただこのあたりの事ははっきりとした基準はわからないのが現状。
給付については給付金ではなくサービスの在り方、つまり支援の内容のようです。
これは検討規定(附則第3条)によるもので以下に引用させて頂きます。
【検討規定】 (附則第3条)
引用元:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/sougoushien/dl/sougoushien-06.pdf
障害者等の支援に関する施策を段階的に講ずるため、この法律の施行後3年を目途として、
① 常時介護を要する障害者等に対する支援、障害者等の移動の支援、障害者の就労の
支援その他の障害福祉サービスの在り方、
② 障害支援区分の認定を含めた支給決定の在り方、
③ 障害者の意思決定支援の在り方、
④ 障害福祉サービスの利用の観点からの成年後見制度の利用促進の在り方、
⑤ 手話通訳等を行う者の派遣その他の聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため
意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する支援の在り方、
⑥ 精神障害者及び高齢の障害者に対する支援の在り方
等について検討を加え、その結果に基づいて、所要の措置を講ずるものとする。
また、検討に当たっては、障害者等及びその家族その他の関係者の意見を反映させるために
必要な措置を講ずるものとする。
障害者に対する支援
- 重度訪問介護の拡充
- ケアホームのグループホームへの一元化
- 地位式移行支援の対象拡大
- 地域生活支援事業の追加

障がい者への支援の拡大、より利用しやすくなる
サービス基盤の計画的整備
- 障害福祉計画の策定
- 基本指針、障害福祉計画に関する定期的な検証と見直しを法定化
- 市町村は障害福祉計画を作成する際、障がい者のニーズ把握を行うよう努力義務
- 自立支援協議会の名称について当事者や家族の参画を明確化

簡潔に言えば事務作業の強化といったところかな?
障害福祉計画と障害者計画がありここで書かれているのは前者。
障害者計画という大枠があってより細やかなサービスとして障害福祉計画があるのかな?
筆者も少し調べてみましたが理解するのが非常に難しいと感じました。
検討規定
- 常時介護の障がい者に対する支援
- 障がい者区分の支給決定のあり方
- 障がい者の意思決定支援、使用促進のあり方
- 手話通訳や聴覚、言語機能、音声機能その他障がいのための意思疎通のための支援
- 精神障がい、高齢の障がい者に対する支援

施行日が平成25年で施行後3年を目途として段階的に講じるようです。
既に3年以上経過していますがどうでしょうか?
筆者は障がい者サービス(就労継続支援)を利用し始めたのは数年前でその時は既に施行後。
変化を感じ取れていないのが正直な感想です。
今ある当たり前のサービスも施行前は受けられないサービスだったのかもしれません。
まとめ
今回は過去に施行された福祉関連の記事を書いてみました。
施行前の事がわからないとは言え今よりも障がい者に対する風当たりも強くサービスも充実していなかったのだと判断できます。
法律が変わったとしても人の考え方が変わるのは容易ではありません。
精神障がいは見た目でわからない事が多くあり未だに甘えだと思われる事も多々あります。
少しでも障害を理解してもらい障がい者も健常者も過ごしやすい社会になる事を期待しています。