就労継続支援
障がい者が受けらえるサービスの中に就労継続支援というものもあります。
就労継続支援とは何か?
それぞれの違いから見ていきます。
まずはA型から。
事業内容(A型)
通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、雇用契約の締結等による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等の支援を行う。
(利用期間:制限なし)対象者
① 移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった者
リンク元(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/shurou.html
② 特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった者
③ 就労経験のある者で、現に雇用関係の状態にない者
※平成30年4月から、65歳以上の者も要件を満たせば利用可能。
次にB型についての厚生労働省の説明です。
事業内容(B型)
通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援を行う。
(利用期間:制限なし)対象者
① 就労経験がある者であって、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者
リンク元(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/shurou.html
② 50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者
③ ①及び②に該当しない者で、就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面に係る課題等の把握が行われている者
wikiにはこのように書かれていますがいくつか付け加えていきます。
- 最低賃金の保証
- 雇用契約を結ぶ
- 工賃あり
- 雇用契約を結ばず最低賃金の保証がない
- 作業自体は単純な物が多く内職に近いイメージ
- 工賃あり
就労継続支援はA型、B型ともに工賃が発生します。
ただしAとBの大きな違いの1つとして雇用契約を結ぶか否かがあります。
これは工賃に直接影響がありA型の場合は最低賃金が保証されますがB型は保証されません。
これだけ聞くとB型を利用する意味はあるのか?と思われる方もいるかもしませんがそうでもありません。
まず受入数が違います。
A型とB型を比較するとA型の数は圧倒的に少ないです。
また作業内容や労働時間等も異なるためB型の方が利用しやすい人もいるかと思います。

筆者はB型に通所しています。
就労継続支援を利用するには
就労継続支援を利用する場合、いきなり作業所に行ってももちろん利用出来ません。
筆者の場合はメンタルクリニックで作業所の事を話し相談したところから始まりました。
就労するにしても現状では難しい、作業所のようなところはないだろうか?と。
すると市役所の障害福祉課で作業所についての相談が出来ると聞き市役所に向かいました。
市役所での窓口は障害福祉課。
ここで改めて自分は障がいがあるのだと実感します。
そして窓口で相談をし作業所の見学が始まります。
自治体により異なるかと思いますが筆者の場合はこのような流れでした。
市役所に電話をする
まずは市役所に電話をし障害福祉課につなげてもらいました。
そして作業所の事で相談をしたいというと市役所に来るように言われます。
電話をする際には市役所に行く日時と持ち物を聞くようにしましょう
また障がいのある方は保護者が必要な場合もあるかと思います。
保護者同伴が可能かどうかも聞いておきましょう
通所するためには別途障がい福祉サービス受給者証が必要です。
また障害者手帳がなく通所をする場合には自立支援医療が必要となります。
個々によって異なる部分があるかと思いますので自治体にご相談下さい。
作業所選び
市役所に行き障害福祉課で色々な作業所を教えてもらいました。
筆者が住んでいる町の市役所では各作業所の紹介が書かれた冊子がありそれをもらいました。
その日は話を聞いて終わりになりその後1~2回足を運び1つの作業を選択しました。
見学
市役所から電話をしてもらい見学の日程を調整してもらいました。
毎日が不安で不安で仕方がありませんでしたら当日を迎えて担当の方と面談をする事に。
その作業所では同じ地区に2か所の作業所があり当日に2か所回るか、別の日に改めて見学を行うか選べたので後日見学をする事を伝えました。
後日、2か所目の作業所に見学に行きました。
私としては2か所目の作業所に行ってみたいと思っていたのですが利用者が多く予約待ちになるかもとの話が。
それでもせっかくここまでしてきたのだから。。。と思い体験利用をさせてもらうことに。
体験利用
体験利用は実際に作業所に行き規定の回数作業をしたり作業所の雰囲気を感じるために行います。
筆者が体験利用した作業所では比較的落ち着いた場所でのんびりと過ごせました。
予約待ちと聞いていましたが通ってみたいという気持ちがあり認定調査を受ける事になったのです。
認定調査を受ける
市役所の障害福祉課に行き認定調査を受けます。
またその際計画相談支援としてサービス等利用計画をします。
既に数年前になってしまうので記憶が曖昧ですが筆者の場合は自分で書きました。
内容は1週間の予定のような物で何時に起床、何時に通所、何時に就寝、等細かい予定を1週間分書いた記憶があります。
自分で書くことも出来ますし難しいようでしたら指定相談支援事業者で相談を受けられるようです。
筆者は自分で書いたので定かではありませんが聞いた話では予め予約が必要だったと聞いた覚えがあります。
代金は無料ですが予約となると何度も足を運ばないといけません。
自分で書けばその場で出来るので何度も行ったり来たりする必要がないので可能であればご自身で書くことをお勧めします。
その他にも家族の氏名や生年月日、印鑑、マイナンバーも持っていくと安心です。
自宅から通いたい作業所までの交通方法と交通費をメモしておくといいかもしれません。
筆者の場合バス代が支給されるのですが自宅から作業所までのバス停の名前(乗るバス停と降りるバス停)
- 自立支援医療、もしくは障害者手帳等
- 印鑑
- 家族の氏名、生年月日を書いたメモ
- マイナンバー
- 家から作業所までの交通方法と交通費のメモ
その他必要な物、もしくは必要ない物もあるかもしれませんので事前に市役所に聞いて下さい。
このような手続きが終わると別室に連れていかれ認定調査が行われました。
これまでの事、病気の事、色々聞かれました。
認定調査は一対一で行われ30分~1時間程で終わったかと思います。
筆者の場合は市役所で行われましたが自治体によっては自宅で行われる場合もあるそうです。
その場合は順序当が異なるかと思いますので予め市役所にお問い合わせ下さい。
通所開始
認定調査が終わり障がい福祉サービス受給者証が手元に届いたら正式に通所が始まります。
予約待ちと聞いていましたが筆者が希望する曜日と作業所の都合が合致し通うことが可能になりました。
B型作業所はこんな場所
作業内容
作業内容は冒頭でもお伝えした通り内職をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。
その内職を複数人で一緒に行います。
内容は各事業所によって異なるため一概には言えませんが梱包やシール貼り等があります。
作業時間
これも各事業所により異なります。
A型と違い利用者の融通が利くため短い時間、日数で調整が可能な場合が多いです。
例えば週2回程度、午前中や午後だけ、といった利用の仕方も可能な場合があります。
時給
B型は雇用契約を結ばないため時給はかなり低いです。
数十円から高くても数百円程度。
最低時給が決まっていないので事業所選びが肝心。
利用料
作業所を利用するには利用料がかかる場合があります。
月額37200円
月額9700円 概ね収入が600万円以下
月額0円 概ね収入が300万円以下
月額0円
所得区分は世帯収入で決められているのですがここでの世帯収入は次のような決まりがあります。
保護者の属する住民基本台帳での世帯
障がい者本人とその配偶者
障がい児の場合はご両親の収入、そうでなければ障がい者本人と配偶者の収入です。
ここで注意しないといけないのは配偶者の収入。
例えば結婚されていてご夫婦のどちらかが障がい者の場合、ご夫婦の収入が世帯収入になるため収入によっては作業所に通うのに料金が発生します。
お金を払って安い時給で仕事をしている状態になります。
作業所に行く理由は人それぞれではありますが自分はお金を払ってるのに周りは払っていない、という事実もあるので収入のある方は利用する前に説明を受け、納得した上で利用するかしないかと判断してください。
交通費
自治体によって異なりますが筆者が住んでいる市では作業所までの交通費が支給されます。
時給が安い事もあり交通費が支給されない自治体であれば作業所に行けば行くほどお金がなくなってしまいます。
経済的負担は障がい者にとっても大きな問題で工賃以上に支払額が多くなると継続するのが困難になります。
上記の利用料を含め作業所に通所する前の段階で担当の方とよく相談してから決めるようにしてください。
対人関係
B型事業所では色々な障がいをもった方が利用しており当然性格の合わない利用者も出てきます。
やる気のある人はよいのですがやる気のない人は他の利用者のやる気も削いでしまいます。
来てすぐに帰ってしまう人もいます。

作業をしてもしなくても同じ時給は割に合わない。
一生懸命頑張ってる人とそうでない人が同じ時給になる。
B型作業所ではこのような事が日常茶飯事です。
まじめな人は相当なストレスになると思います。
施設外就労
作業所では基本的には施設内で作業をする事が多いのですが例外として施設外就労があります。
これは文字通り施設を飛び出して作業をするもので一般企業の工場などもあります。
一般就労と作業所の中間的な就労といったところでしょうか。
作業も作業所内での作業に比べると難しい物が多く手際よくやる必要があります。
その反面時給も多くなります。
ただし常にある訳ではないので施設外就労をメインにするのは難しいと思います。
まとめ
作業所というとなかなかイメージが湧きにくいのですが建物もマンションの一室やビル等とごく普通です。
作業所に通うだけでも通院する、自立支援医療を受ける、作業所に見学、体験に行く、認定調査を受ける、と簡単な事ではありません。
何度も市役所に足を運び、電話をする事になります。
それでも自分のような人間を受け入れてくれたのはありがたかったです。
もしも作業所で悩んでいる方がいればまずは市役所にご相談ください。
きっと作業所のイメージは変わります。
私が作業所に通所してから既に2年以上が経過しています。
その為うろ覚えのところがあり、また、現時点と異なる部分があるかもしれませんがご了承下さい。