作業所の問題点はあれど利用者の問題点はなかなか表に出てきません。
今回はB型作業所利用者の私が思う利用者の問題点を書いていこうかと思います。
これは今後増えていくと思うので継続テーマとして扱う予定です。
問題点1-利用者の問題-
利用者の幅の広さ
就労継続支援B型は障がいの度合いが人それぞれ異なり簡単な作業も困難な方から健常者以上のクオリティ、速度を持つ方までが同じ場で作業を行います。

ここでは1時間に100個の作業をこなす事を標準にするとします。
ここでは1時間に100個の作業をこなす事を標準にするとします。
Aさんは1時間に50個の作業量
Bさんは1時間に100個の作業量
Cさんは1時間に150個の作業量
標準が100個とした時、Aさんは作業スピードが遅くCさんは早く作業をする事が出来ます。
しかしCさんがいくら頑張ってもAさんと同じ時給です。
そして更に問題なのが時給で工賃が支払われる為、仕事の出来るCさんの作業時間が短い場合、仕事の出来ないAさんの方がトータルの工賃が高く支払われてしまいます。
やる気を出して頑張るよりやる気を出さずに長い時間居た方が稼げてしまうのは非常に問題です。
これは健常者が働く一般企業でも同じ事ですが障がい者施設の場合結果を出さなくても辞めさせられる事がない為頑張る人とそうでない人と温度差が非常に高いです。
しかし頑張る人がいないと仕事は終わりません。
納期に間に合わなければ今後の仕事がなくなる可能性もあります。
仕事がなくなれば当然工賃にも影響が出ます。
本来であればこういった事を利用者に伝えるべきだと思うのですが職員の方は伝えてくれません。
内職作業であれお金をもらう以上は仕事です。
やる気のある人ほど損をする仕組みはB型作業所の大きなな問題点であり変えるべきところだと私は思っています。
利用者のやる気
筆者が通っている作業所では午前中に1回休憩時間があります。
本来であればその休憩時間に水分補給をしたりトイレに行ったりするのですが中には休憩時間以外に水分補給やトイレに行き、休憩時間は誰よりも早く休む人もいます。
生理現象ですからうるさくは言われませんがその方の場合、休憩時間の前にトイレに行きそのまま休憩時間に突入したり休憩時間は寝ていて作業時間中にトイレに行くなど目に余る行為が毎回のように繰り返されます。
問題1で書いたような作業スピードが遅いだけなら個々の能力によるものがありますがやる気がない、となると話が変わってきます。
やる気がなく作業スピードも遅い上に頻繁に席を外すとなると周囲に悪影響が出てしまいます。
問題点2-工賃の問題-
時給の安さ
B型作業所を語る上で必ず話題になるのが工賃の安さ。
A型作業所の場合は最低賃金が守られますがB型作業所の場合最低賃金が保証されません。
これは雇用契約を結ばない為で利用者も形式上は無職です。
工賃は売上から捻出されるのですが作業内容が内職が多く単価が安いです。
その内職を更に大人数でやるのですから工賃は安いのも仕方がありません。
では逆に工賃を上げるにはどうしたらよいのか?
単価の安い内職を単価の高い仕事にシフトチェンジするしかありません。
しかしここで問題になるのが問題1で書いたように利用者の幅があります。
批判を恐れず言うと仕事の出来る人に合わせるのではなく仕事を出来ない人に合わせる事で全員が作業をすることが出来るようにする場がB型作業所です。
その為工賃が高くなりやすい難易度の高い作業を受注すると作業の出来ない人が出てきてしまいます。
現在作業所はA型、B型がありますが個人的にはその中間の作業所があればと思っています。
最低賃金までいかないまでもB型で行う作業よりも高度かつA型未満の作業所。
時給で言えば600~700円程で無理なく通所出来る作業所が出来れば障がい者もよりよい生活が出来そうです。
問題点3-施設の問題-
受け入れ態勢
これは筆者の作業所だけかもしれませんが利用者がとても多いです。
座って作業をするのに椅子がない、なんて事もあります。
その場合、他の部屋で作業をしたり、場合によっては廊下で作業をします。
本来であれば全員が座って作業が出来るはずなのですが物理的に場所がありません。
それだけ利用者が増えすぎてしまいました。
作業所を去る者がいないのに受け入れは常に行っているため当然の結果です。
しかしそれも毎日ではないため抜本的な解決策がありません。
毎日込み合っているのであれば解決策もあるかもしれませんが曜日によっては利用者が極端に減る日もあります。
シフト制にすれば解決しそうですが利用者1人1人が納得するシフトは困難です。
毎日通所したくても人が多くて居場所がないのであれば福祉の意味がありません。
この点は早急に改善して頂きたいところです。
問題点4-施設外就労-
工賃の問題
施設外就労は文字通り施設外での仕事をするもので利用者と職員がユニットを組んで仕事をします。
一般的に施設内での内職よりも難易度が高く肉体的にも精神的にも疲弊します。
その分工賃も施設内の内職作業よりも高く、また施設内とは違った雰囲気での仕事ですのでメリットもあります。
しかし問題も当然あります。
普段の内職作業同様、仕事の出来る人、出来ない人が当然いますが同じ工賃が支払われます。
内職作業よりも高いとは言え最低賃金には届かない時給です。
それでも少しでも工賃を上げたいと頑張る人がいる一方で作業スピードが遅かったり場合によっては職員と二人で一人分の作業をする利用者もいます。
作業スピードが遅かったり、出来ない人の修正を他の利用者が行う場合もありますがそれでも同じ時給です。
せめて施設外就労ではある程度の仕事が出来る人が行かないと施設内以上の不公平感が出てきてしまいます。
やる気の問題
施設外就労は施設内よりも高い工賃が支払われるためお金を稼ぎたい人は施設内の内職よりも向いてます。
しかし中には高い工賃はもらいたいけど仕事はしたくない、と言った利用者もいます。
こういう方がいると他の利用者がその分仕事をしないといけません。
そしてそういう姿を外部の人たちに晒す事で今後の施設外就労がなくなる事すら考えられます。
施設外就労先の人にとってもやる気のない人が来られても迷惑なだけです。
逆に言えばやる気がある利用者はどんどん施設外就労を行う事で同じ作業所内でもやる気のある人、ない人とで工賃の差別化が行われ不公平感は薄れていくと思います。
本来であれば内職業務でもやる気のある人とない人で差別化すべきですが施設外就労においてはより濃く出てくる問題だと思われます。
作業内容の問題
事業所によっては施設倍就労とは名ばかりの低賃金労働者になる場合があります。
健常者でも音を上げるような劣悪な環境に障がい者を安い賃金で働かせているのです。
施設外就労である意味がそこにはなくただただ疲弊するのみ。
利用者が工賃や仕事内容に満足しているのであれば全く問題ないのですがやりたくない仕事を低賃金で半強制的にやらすのであればそれは何の意味もありません。
インターネット上の話ではありますが施設外就労とは名ばかりで利用者を1人置いていき職員は帰ってしまう、なんて事業所もあるくらいです。
農福の問題
農業と福祉を繋ぐ言葉で農福、と呼ばれるものがあります。
メリットは農家、利用者の双方にあり注目されている取り組みの1つと言えるでしょう。
問題点は障がい者を使い捨ての駒として扱う場合がある事。
これは農福に限った事ではありませんが真夏の炎天下で作業をしている農家があったとして、今まではアルバイトを募集していたが過酷のため、集まらない。
そこで障がい者に炎天下の中低賃金で働かせよう、なんて話もあります。
1年を通して継続して働ければ別ですが過酷な状況下の時だけ人手が足りないから障がい者を働かせる、というのは都合がよすぎます。
これで体調を崩しても自己責任となったら障がい者は利用されるだけです。
筆者自身、施設外で農作業をした事がありますが暑い時期は不安でしかありません。
水分補給といっても事実上休憩時間しか飲む事が出来ず熱中症の恐れもあります。
それでも私の代わりなどいくらでもいますしお構いなしなのが現状です。
私の場合、1日2時間程度と言う事もあり続けていられますがこれが毎日であったり長時間であったりしたら難しいと思います。