作業所の話をする上で避けては通れないのがこの悪しきA型と呼ばれている問題です。
悪しきA型とは一言で表すと障がい者を集めて給付金や助成金を集める事業所です。
筆者自身がA型を利用した事がない為詳細まではわかりませんが調べてみるとB型にも通じるものがありました。
- 確たる事業がない
- 短時間利用しかさせない
- 設備投資をしない
- 利用者には簡単な内職、もしくは仕事そのものをさせない
- 職員は素人を集める
1.確たる事業がない
A型事業所の利用者に支払われる工賃を捻出できるだけの事業がない事。
利用者には最低賃金以上の支払いをしないといけないのに売り上げを上げなくてもよいのです。
この辺りは一般企業ではありえないのですがからくりがあります。
2.短時間利用しかさせない
利用者には短時間労働をさせる事で障がい者に対して支払う給料が減ります。
上の1にも関わる問題で障がい者1人に対して約6000円程の給付が事業所に入ります。
令和3年時点での神奈川の最低時給は1000円程ですが仮に4時間働かせる事で4000円です。
残りの2000円は事業所の手元に入ります。
短時間であればあるほど事業所は儲かる仕組みです。
利用者が20人いれば20(人)×2000(円)×20(日数)で80万円。
これ以外に助成金もあるので事業所は売り上げもあげなくても安定した収入になっていました。
*現在では見直しが行われ利益から利用者の給料が支払われるようになったようです(2017年改正)
3.設備投資をしない
悪しきA型では極力資金を使いません。
金儲けが目的であり費用はすべて無駄と考えているからです。
設備がないなら仕事にならない、そう思うかもしれませんがそれでよいのです。
何故ならそもそも仕事をさせる気がないのですから。
利用者のためと表向きには謳っていても利用者の事など微塵も考えていません。
悪しきA型では障がい者を金儲けの道具としか考えていないのでしょう。
4.利用者には簡単な内職、もしくは仕事そのものをさせない
売り上げに関係なく収益を上げる事が出来るのですから余計な手間、リスクを減らすためにも簡単な内職であったり、仕事そのものをさせない事業所もあったようです。
仕事を与えて外部に出し万が一トラブルがあった時のリスクを考えたらさせない方がいいと思うのでしょう。
また設備投資をしない事で仕事が物理的に難しい事もあるかと思います。
最低限の用意をし、表向きは支援してます!と言えればそれでよいのだと思います。
5.職員は素人を集める
経費削減です。
また福祉に詳しい人が来てしまうと問題が明るみに出る可能性もあります。
極端な話、身内や金儲けが目的の集団が管理する事で外部への漏れを防ぐことができます。
まとめ
この悪しきA型、2017年の改正により助成金から利用者への給料を支払う事が厳罰化された事により現在ではA型事業所そのものが減少傾向にあります。
B型同様、場合によってはそれ以下の作業にも関わらず最低賃金を支払わなければならないのですから当然です。
支払い能力がないのであれば運営は成り立たず閉鎖に追い込まれます。
A型が閉鎖する事でその事業所を利用していた利用者は行き場をなくしてしまいました。
悪しきA型、とまではいかないまでも給付金を給料に回せず運営出来ないA方も当然閉鎖します。
A型がB型に近づき売り上げから工賃が賄われる本来あるべき姿に戻りました。
筆者がB型に通じる、と書いたのはこの点でB型の工賃が低いのは労働条件を結ばず最低賃金の保証がないからですが根本的な問題はそれだけではありません。
B型作業所で行う作業の単価が安すぎるのです。
比較手に誰にでも出来る作業の内職を複数人で行うのですから当然です。
利用者の工賃を上げるには単価の高い作業をこなせるようにならないといけません。
正直言って筆者にはその覚悟が事業所にはもちろん利用者にもないと思っています。
それでも工賃を上げろ、となると助成金から利用者に工賃として分配するしかありません。
しかしそれは悪しきA型とやっている事は何も変わらなくなります。
A型事業所が閉鎖したのはB型事業所との不公平感をなくす一手にもなったかと思います。
悪しきA型を利用していた方は仕事をせずに給料がもらえており今後はその環境から抜け出す必要があります。
それが初めての就労であれば一般常識からあまりにも離れていた事に愕然とすることでしょう。
前の事業所では遊んでてもお金もらえた、ここではもらえないなんておかしい!
そう思ってしまう障がい者がいてもおかしくありません。
間違った方向に進んでしまった事業所の未来は障がい者の大量解雇という最悪な結果を起こしてしまったのです。
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